「かかりつけ医機能」の議論を巡り、希望する医療機関を患者が事前登録する仕組みの導入を財務省は求めているが、日本医師会などがこれに強く反対している。厚生労働省保険局の医療課長として2014年度(平成26年度)の診療報酬改定を担当した宇都宮啓氏(医療法人社団健育会副理事長、慶應義塾大学医学部客員教授)も反対する1人で、「仮に導入されれば、医療機関にとって死活問題」と指摘する。医療現場にどのような影響が出る可能性があるのか-。【聞き手・松村秀士】
■財務省の狙いは英国のGP制度
―厚労省の審議会で、「かかりつけ医機能」を定義すべきだとの意見が出る理由は。
推測だが、英国のGP(General Practitioner、家庭医)のような制度が日本に導入されることへの懸念からなのではないだろうか。GP制度は、地域住民が医療機関にかかる時は原則としてあらかじめ登録した身近な「かかりつけ医」を受診する仕組み。
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会が5月にまとめた提言で、「かかりつけ医」として利用を希望する医療機関を患者自身が事前に登録する仕組みの検討を求めていて、これがまさにGP制度だ。その主張の背景にあるのは
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