総務省消防庁は、救急車に収容した負傷者の本人確認にマイナンバーカードを活用する方向で実証実験に乗り出す。患者情報の把握にかける時間を短縮し、迅速な病院搬送につなげる。近年、増え続ける病院収容所要時間という課題が背景にある。【新井哉】
病院収容所要時間の2020年の全国平均は、前年比1.1分増の約 40.6 分で、20年前と比べて約1.5倍の時間がかかっている。消防庁によると、現場で傷病者や関係者情報を全て聴取していることが、現場到着から出発までの時間が伸びている原因の1つとなっている。119番通報で出動した救急隊が傷病者を収容した際、傷病者本人や家族らが病歴や受診した医療機関名などを覚えておらず、搬送先の医療機関がなかなか決まらなかったり、診察券やお薬手帳などの情報源が複数あって、それぞれ検索するのに時間がかかったりするからだ。
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