食材費やエネルギー価格の高騰は、国内最大規模の病院グループ徳洲会にも押し寄せている。徳洲会ではこれまで、食材の共同購買を進めてコスト削減を進めてきたが、食材費の高騰がそれによる成果を吹き飛ばした。【聞き手・構成/兼松昭夫】
医療法人徳洲会栄養部会 鑓水弘樹部会長
-値上がりはどのような食品で目立つのか。
切り身魚など「冷凍水産品」は2022年5月の時点で、主要な45品目のうち9割超の42品目で前年同月から値上がりした。値上がり幅は42品目の平均で11.8%、最高はサケの33.0%。病院ではサケをよく使うだけに、これはかなりの打撃だ。
値上がり幅が目立つのは食用油だ。キャノーラ油は1年間で67.3%上昇し、今後も96.5%まで見えている。マヨネーズやバターなども値上がりしている。ほかはインゲンの価格が25.6%、パイナップル缶が16.0%など。小麦製品の値上がりも目立つ。データがある主要311品目では、全体の55.3%に当たる172品目が値上がりしている。
-いつごろから値上がりし始めたのか。
20年春ごろから徐々に値上がりし、22年2月下旬のロシアのウクライナ侵攻後、一気に上昇した。
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