2022年度の診療報酬改定で目玉の一つになった急性期充実体制加算の新設は、敷地内薬局を岐路に立たせた。“敷地内薬局封じ”のルールがこの加算に入ったためだ。政府全体の方針で敷地内薬局を解禁しても、厚生労働省は、それへの否定的な姿勢を変えていない。【兼松昭夫】
新型コロナウイルスの感染拡大にあえぐ急性期病院にとって、急性期充実体制加算の新設は久しぶりの朗報だった。入院から7日以内の点数は、従来の総合入院体制加算1(14日目まで1日240点)を倍近く上回る1日460点。感染対策向上加算1や精神科充実体制加算など関連の報酬を算定すれば、増収幅はさらに膨らむ。
さらに、この加算に組み込まれた手術件数の実績や救急医療の提供体制の基準は、高度な急性期医療の提供を目指す病院にとって道しるべになるだろう。
ただ、多くの急性期病院にとって想定外だったのは“敷地内薬局封じ”のルールがこの加算に入ったことだ。高度な急性期医療をどれだけ効率的に提供していても、敷地内薬局があるなら届け出られない。
厚労省は、新点数の運用が始まる直前にこのルールを初めて示した。医科の点数で薬局を締め付けた前例はなく、病院関係者に戸惑いが広がった。
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