2022年度診療報酬改定の取材を振り返り、感染対策向上加算や紹介受診重点医療機関など医療の役割分担の話題で盛り上がった前回の記者覆面座談会。今回は「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の見直しや、急性期充実体制加算など白熱した議論が続く。【CBnews編集部】
【プロフィール】
A記者 今回の診療報酬改定取材の主担当
B記者 診療報酬取材歴10年以上の記者
C記者 精神科医療を中心に診療報酬改定を担当
―国は以前から役割分担を推進していたが、今回の診療報酬改定でコロナ禍をうまく利用したように感じる。その典型が感染対策向上加算か。
B記者 コロナの感染で医療入院が各地で逼迫したため、役割分担の大切さを強調した。
C記者 これまでの感染防止対策加算1が390点だったが、改定された感染対策向上加算では710点と、役割を担った病院に対し加算を2倍近く上げたのは大盤振る舞い。中間層をにらむ感染防止対策加算2でも、90点が175点と、かなりアップさせた。
さらに今回加わった感染対策向上加算3も75点と点数こそ少ないが、感染制御チームの要件を緩くして取りやすくしている。改定前までは規模の大きい感染制御チームを持っていないと加算2が取れずに諦めていたところが、加算3の新設で加算が取れるようになったことを意味する=図1=。
具体的には、専任の医療従事者の人数を大幅に減らして小規模な制御チームでも加算を狙えるようになった。コストがかかる仕組みだったが、人員も減らして低コストでもチームを編成できる。編成すれば加算できるのがポイント。
図1 感染対策で各医療機関の役割が分担されている
厚労省の資料を基に作成
B記者 入院医療に戻ると、今回は同じ急性期病院でも、どれだけ機能を整備しているかで明暗が分かれた。
急性期充実体制加算は急性期一般病棟に入院している全ての患者に、感染対策向上加算1は病院の全入院患者に算定できる。それだけに、高度な急性期を提供できている病院では今回、お祭り騒ぎらしい。
(残り2229字 / 全3075字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】