医学教育に新興感染症発生時に必要な医師の役割が追加される方向性が固まった。文部科学省の委員会で示された医学教育モデル・コア・カリキュラムの素案に「新興感染症を含む自然災害」が盛り込まれたからだ。新型コロナウイルス感染症の大流行に十分対応できない現在の医学教育にメスを入れ、抜本的な改善につなげたい考えだ。しかし、感染症教育を担当できる人材が少ないため、大学で担当教員を拡充できなければ、掛け声で終わる恐れもある。【新井哉】
2001年に策定された医学教育モデル・コア・カリキュラムは、医学生の卒業時の到達目標が示されている。これまでに3回改訂されており、今回で4回目の改訂となる。新型コロナウイルス感染症を巡っては、流行に伴い感染症専門医の不足が顕在化。それを解決するため、医学生に対する感染症教育を拡充することが求められていた。このような状況を踏まえ、文科省の「モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会」で、21年8月から3回にわたり、感染症などに関する議論が行われてきた。
(残り622字 / 全1065字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】