新型コロナワクチンの4回目接種について、厚生労働省は、3回目接種までの全国民を対象とした方法から、60歳以上など一部の人に限定する方法に舵を切った。ワクチン効果への疑問視などが背景にある。そのあおりを食うのが、これまで優先的に接種してきた医療機関や高齢者施設の従事者だ。感染への不安が現場ではさらに高まりそうだ。【新井哉】
厚労省は、4月27日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で、4回目のワクチン接種の対象者を、60歳以上の人と18歳以上で基礎疾患がある人に絞り込むよう提案した。実は3月の分科会で、対象者を絞り込む議論は出ていた。複数の委員が、4回目接種の準備を行う必要性を認めながらも、3回目接種までのような全国民を対象とすることに消極的で、「半年に一度打つようなワクチン、本当に有効なのか」と、ワクチンや国の施策そのものに疑問を投げ掛ける声も出ていた。厚労省は、こうした議論を考慮し、感染拡大から重症化予防に軸足を移した格好だ。
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