新型コロナウイルスの抗体を保有するがんの患者の割合は健康な人と差がないものの、がんの患者では保有量が少ないことが、国立がん研究センターなどの共同調査で分かった。国がんでは、抗がん剤などの薬物療法が抗体量に影響を与える可能性を指摘する一方、新型コロナワクチンの積極的な接種を呼び掛けている。【兼松昭夫】
調査は、がん患者による新型コロナの罹患状況とリスクを評価するため、臨床検査機器メーカーのシスメックスと共同で実施。がん患者500人と健康な1,190人の抗体保有率と抗体量を2020年8月から10月にかけて調べた。
その結果、新型コロナへの明らかな罹患歴がない人の抗体保有率は、がん患者(497人)が0.4%、健康な人(1,187人)が0.42%で有意差がなかった。しかし、抗体の量は健康な人に比べてがん患者が有意に低かった。
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