後期高齢者(75歳以上)の医療費の窓口負担を現在のまま原則1割とした場合、現役世代が拠出する後期高齢者支援金は2025年度に総額8.2兆円となり、20年度よりも1.4兆円増えるとの試算結果を厚生労働省が26日、社会保障審議会・医療保険部会で明らかにした。75歳以上の窓口負担割合が引き上がると、この支援金の負担が減ることから、保険者側の複数の委員が、課税所得145万円未満の75歳以上を対象にした2割負担を導入すべきだと主張。一方、医療提供側の委員は、引き上げに慎重な姿勢を示し、議論は引き続き平行線をたどった。同省は12月2日に開く次の会合で、議論の整理案を示す。【松村秀士】
厚労省の試算によると、75歳以上の窓口負担を原則1割のまま据え置くと、現役世代が負担する支援金の総額は20年度が6.8兆円で、22年度は7.2兆円、25年度は8.2兆円に増える。前年度からの増加額は、2010年代は平均で年1,600億円だったが、22年度は2,500億円、25年度は3,100億円で、支援金の伸びが徐々に大きくなる。
一方、19日の前回の会合で提示した5つの所得基準案を基に、厚労省は75歳以上の窓口負担を2割に引き上げた場合の支援金の抑制効果も算出した。
その結果、年金収入が240万円以上の約200万人(所得上位20%)を2割負担とすれば、25年度には支援金を600億円削減できる。
■4割超の約605万人が対象なら、支援金1,800億円減
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