健康保険組合連合会など被用者保険関係5団体は4日、医療保険制度改革に向けた共同意見書を田村憲久厚生労働相宛てに提出した。国民皆保険制度を堅持するため、政府の全世代型社会保障検討会議が年末にまとめる最終報告に、後期高齢者の医療費の窓口負担を早急に原則2割とすることや、医療費の適正化の推進といった項目を盛り込むよう要望。また、社会保障の給付と見直しを含む医療保険制度改革を、遅くとも2022年度までに確実に実行することも強く求めている。【松村秀士】
意見書を提出したのは、健康保険組合連合会と全国健康保険協会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会。
それによると、高齢化による医療給付費の急増と現役世代人口の急減が見込まれ、医療保険制度が危機的な状況にある中、将来にわたって国民皆保険を堅持する覚悟を示し、制度の持続可能性の確保に向けた改革を着実に進めることで、国民に安心感をもたらすことが極めて重要だとしている。
また、社会保障の給付と負担については、世代間のアンバランスを是正し、公平性と納得性を高めていく必要性を強調している。
医療費の窓口負担割合に関しては、現役世代は所得に関係なく3割で、70-74歳の高齢者は2割(一部3割)という状況や、高額療養費制度によって負担の限度額が抑えられていることを踏まえ、75歳以上の後期高齢者についても、「低所得者に配慮しつつ、早急に原則2割とする方向で見直すべき」だと主張。その際、支え手である現役世代の過重な負担増の緩和につながるような設定にする必要があるとした。
■診療報酬の踏み込んだ見直しも要望
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