社会保険診療報酬支払基金は29日、甲状腺疾患患者に関して、秋田県能代市の富町クリニックから診療報酬請求のあったサイクログロブリンと甲状腺自己抗体検査について、一部を減額査定したことで争われた裁判で、最高裁が同クリニックの上告を棄却し、支払基金が全面勝訴したことを明らかにした。【ライター　設楽幸雄】

　支払基金は、富町クリニックが請求した2015年6月診療分から同年9月診療分のうち、甲状腺疾患の患者に対する検査について、TSH、FT3、FT4と併せて算定していた「サイクログロブリンと甲状腺自己抗体検査」の2種類については、「医学的に必要な患者に施行すべき」との観点から、その一部である26事例、3万7,010円を減額査定した。

　富町クリニックは、この減額査定を不服として17年2月に提訴。2種の検査とも「それぞれの病態などの診断に必要な検査」と主張した。

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