中外製薬は29日、重症COVID-19関連肺炎に対するアクテムラ(トシリズマブ)の臨床状態改善効果に関するプラセボとの比較試験の結果、有意差が認められなかったと発表した。親会社のロシュが米欧で450名の患者を対象に実施した試験。ロシュは別に、アクテムラとレムデシビルの併用療法について、プラセボとの比較試験を実施中だ。【ライター 設楽幸雄】
アクテムラは中外製薬が自社創製した国産初の抗体医薬品で、関節リウマチなど6つの効能で使用されている。海外では、親会社のロシュが販売している。
重症COVID-19関連肺炎に対するアクテムラの効果に関する臨床試験も、ロシュが米国とカナダ、欧州で、無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験として実施すると3月19日に発表した。
レムデシビルが米国で承認される前の段階だったため、アクテムラと標準的な医療措置の併用と、プラセボと標準的な医療措置の併用との比較試験で、患者330例を対象とし、主要評価項目は臨床状態の改善、副次評価項目は4週目時点の死亡率、人工呼吸器未使用日数などとした。登録患者は最終的には450例となった(日本は参加していない)。
(残り762字 / 全1251字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】