新型コロナウイルス感染症に対し、ファビピラビル(製品名アビガン、富士フイルム富山化学)によるウイルス量の低減効果に関する臨床試験を行っている藤田医科大学は10日、最終結果の暫定的解析を発表。ファビピラビルの通常投与群(1日目から内服)と遅延投与群(6日目から内服)を比較した結果、通常投与群で6日目までにウイルス量の消失、解熱に至りやすい傾向は見られたが、統計的有意差には達しなかったとした。【ライター 設楽幸雄】
新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の早期承認を目指している厚生労働省は、最優先で審査することとし、申請データについては、公的資金による臨床研究の結果も企業の治験データを代替できる可能性があるとしていた。厚生労働科学研究として実施している藤田医大のファビピラビル試験などを想定したものだ。
しかし、藤田医大の今回の発表で、この臨床研究の結果、アビガンの有効性を示すに至らなかったことが明らかにされた。そのため、承認申請に使用することもできない。
一方、富士フイルム富山化学は、アビガンの治験を進めている。治験の結果として、有意差をもって有効性を示すことができれば、承認申請されることになる。
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