介護事業を展開する主な上場企業のうち、3月を決算期とする企業が6月末までに決算発表や株主総会を終えた。各社の状況を見渡すと、最大手のニチイ学館が5月8日にMBO(経営陣が参加する買収)を発表、6月22日に買い付け期間を延長している。ツクイは、2020年10月から持株会社体制へ移行するなど経営体制の大きな変化が見られる。ただし、収益面ではデイサービスの利用控えなどについて新型コロナウイルスの影響が4月半ばと同程度のレベルで7月まで続くと試算したソラストなど一部を除き、多くが21年3月期の業績について見通しを立てられていない。【吉木ちひろ】
▽ニチイ学館(東京都千代田区)の20年3月期の売上高は2,979億6,584万円(前年同期比3.5%増)で、12期連続過去最高を更新した。期初の予測からはおよそ50億3,500万円下げている。営業利益は121億6,200万円(同21.2%増)。介護事業の売上高は1,537億8,800万円(同1.6%増)、営業利益は158億5,700万円(同3.2%減)だった。
主な取り組みとして、訪問介護拠点の分割新設を進め、19年6月末時点で1,003だった拠点を20年3月末までに1,405拠点まで増やした。減益の要因もこの先行投資によるものとしている。
【訂正】
本文3パラ目「訪問介護拠点の分割新設を進め、20年3月末時点で402だった拠点を1,405拠点まで増やした」を「訪問介護拠点の分割新設を進め、19年6月末時点で1,003だった拠点を20年3月末までに1,405拠点まで増やした」に訂正しました。
(残り2769字 / 全3442字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】