日本医師会の新会長に選任された中川俊男氏は27日、定例代議員会の後の記者会見で、医療を巡るさまざまな政策などについて、厚生労働省といった関係行政機関に対して「それは違う」と明確に意思表示をしていくと決意を表明した。政府の経済財政諮問会議などが提言している医療分野の規制緩和には、是々非々で臨むと強調。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている医療機関を守るため、あらゆる財源を使った支援を国に求めていく考えも示した。【松村秀士】
会見での主な質疑と応答は、次の通り。
―いつ頃から、日医会長を目指したのか。会長選の勝因は。
1988年に札幌市で病院を開業した時に札幌市医師会に入会した。今考えると若気の至りだったかもしれないが、入会の1年後ぐらいに「日本医師会長になる」と周囲に言っていた。実際になったことは、自分でも驚いている。
選挙直後なので、勝因について今は差し控えたい。私は官僚組織に対して「強面」や「対応がきつい」などと言われるが、個人的に感情で物を言ったことは一度もない。国民のため、患者さんのために「こういう制度はよくない」と激しく議論をしたことはあるが、官僚に対してパワフルに力を向けたことは一度もないつもりだ。
実は、今回の選挙戦で、官僚の皆さんからたくさんのエールを頂いた。特に(厚労省の)若手の医系技官から。また、特に激しく議論を交わした官僚が「応援団」だったとも思っている。
私を支持していただいた全国の日本医師会会員の先生からも、「政府に対して率直に、勇敢に物を言う姿勢を評価する」という声を非常に多く頂いて、間違っていなかったと実感している。
―新型コロナや地域医療構想など課題が山積する中で、横倉前会長の路線を継承する点と、自分の色を出す点は。
地域医療構想や新型コロナウイルス感染症対策(への取り組みや提言など)は、日本医師会の総意として、組織として活動してきたので、会長が代わったからといって緩むことも、機能が低下することもない。新しい役員が入ったので、ブラッシュアップをし、エネルギーを倍化させて進める。
(自身の色を出すところは、)個別の項目によるが、今までのやり方をまずは踏襲してスタートするが、自然と私の色が出てくるのは皆さんがお分かりだと思う。ただ、あまり突出した色を出さないよう、執行部総意の結果として仕事を進めていく。
■何から着手し、日医をどう変えるか
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