●グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン アキよしかわ会長
【聞き手・構成/兼松昭夫】
新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた急性期病院を支援するため、われわれは出来高を含む全国の約400病院への影響を無償で分析し、レポートを提供している(新型コロナの影響分析・レポート詳細)。それらのうち、3月分と4月分のデータがそろった病院の分析を通じて見えてきたことが幾つかある。
写真はイメージ。
まずは外来への影響だ。この2カ月間の症例数を前年と比較すると、新型コロナの拡大がまだ限定的だった3月の時点で8割ほどの病院で減少し、中には20%以上減ったケースもある=図1=。都市部などで感染が急速に広がった4月には分析を行ったほぼ全ての病院で外来症例が減り、3月に比べて減少幅も拡大した。全病院の8割超で10%以上減少し、減少幅の最大値は40%ほどだった。
一方、入院の症例数は、全病院の平均で3月が4.0%、4月が15.4%の共に減だった。特に200床台の病院では4月に19.1%と2割近くも減少している。予定入院の症例が多い診断群分類をピックアップして分析すると、4月には「白内障、水晶体の疾患」が16.6%、心臓カテーテル検査などの「狭心症、慢性虚血性心疾患」が26.5%、内視鏡的大腸ポリープ切除術(大腸ポリペク)などの「小腸大腸の良性疾患」が19.6%のいずれも減と、「比較的待てる」手術や検査がそれぞれ減少した=図2=。
中でも「狭心症、慢性虚血性心疾患」は前年比で3割近い減少だ。大腸ポリペクなどでは今後、入院から外来へのシフトが加速するだろう。
緊急入院への影響はさらに大きく、「肺炎等」「ウイルス性腸炎」「急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)」の症例がそろって大幅に減少している=図3=。
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