新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、全国に緊急事態宣言が出されている中、日本製薬工業協会(製薬協)の医薬品評価委員会臨床評価部会は22日、新薬開発のために臨床現場で進められている治験や臨床試験について、日本SMO協会、日本CRO協会との共同声明を発表し、「被験者と医療関係者の安全確保が第一に優先される。不要・不急の業務依頼を関係者同士で互いに控える」などの考え方を示した。加盟各社に協力を呼び掛けた。【ライター 設楽幸雄】
新薬開発を目指して進められている治験や臨床試験は、厚生労働省が定める基準(GCP)に沿って進めなければならない。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いている中で、被験者と直接接する業務を行うSMO(治験施設支援機関)には、臨床現場の担当者から対応に苦慮する事例の報告が寄せられているという。
具体的には、▽被験者の来院が困難になり、検査・観察・評価をスケジュールの許容範囲内に実施できない▽感染予防のため被験者から来院調整の相談が増えているが、製薬会社やCRO(開発業務受託機関)などの治験依頼者からは許容範囲での調整を強く要望される▽製薬企業やCROに所属するCRA(臨床開発モニター)、SMOに雇用されるCRC(治験コーディネーター)に対しても、医療機関からは不急の来院を控えるよう要請があり、治験支援業務に支障がある-などだ。
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