全国自治体病院協議会(全自病)は20日、「新型コロナウイルス感染症対策に係る要望事項調査結果」を公表した。風評被害についての調査では、患者が減少したと4割近くが回答した。また、職員やその家族に対する誹謗中傷、採用予定者の辞退など、被害の実態が浮かび上がった。【齋藤栄子】
「コロナ患者の入院対応、診療報酬でさらに評価を、全自病が緊急要望」
調査は会員869病院を対象に、3月24-31日に行った。有効回答数は237病院。回答した病院の総病床数は6万2,168床で、うち感染病床が332床、結核病床が364床だった。回答した病院の84.5%が、「国や都道府県からの通達等の共有」ができているとしたが、15.5%が「できていない」と答えた。感染疑いのある患者への診療に当たり、特定チームの有無について「専属チームあり」は54病院だった。
学校の一斉休校に伴う影響については、「子育て中の職員が出勤できないことによる他の職員への負担が増加」と33.8%が回答した。また、「子育て中の職員が出勤できないことによる業務縮小」は4.6%あった。自由記載では、「子育て中の職員は特別休暇による対応」「臨時託児所を設置することによる職員の業務増加」などの一方で、「出勤せざるを得ず、子供を預けられなかった職員の心理的負担が増加」「急な指示で、子育て中のスタッフが預ける人を探すのが大変だった」との回答があり、現場の負担感がうかがえる。
風評被害による影響について聞いたところ、「患者の減少」が38.4%、「職員やその家族に対する誹謗中傷」が11.0%あった。自由記載では、▽救急車の受け入れ台数も例年比で20%減少▽地域の葬儀業者の搬送拒否▽苦情の電話(当院で受け入れたのではないか、施設内にウイルスが付着しているのではないか)▽一般診療の外来患者数が平時と比較して減少▽採用予定者の辞退による施設基準の変更(医師事務作業補助体制加算)-などのほか、感染患者入院時に「職員の診察を拒否する診療所があった」と回答した病院があった。
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