新型コロナウイルスの感染拡大によって、救急医らは、発熱を理由に救急搬送患者の受け入れを拒否する病院があると実感しているほか、救急の受け入れをストップせざるを得ない状況だと感じているとの調査結果を、日本救急医学会が15日に公表した。現場の医師からは、N95マスクやアルコールなど必要な物資の供給や心理的なサポートを求める声も出ている。【松村秀士】
同学会は9日、救急医らの会員に対し、新型コロナウイルス感染症への対応に関する調査を開始。13日までの集計の結果と、寄せられた意見や要望の一部を公表した。
感染が拡大する中、救急医療で困っていることや課題などを聞いたところ、計46件の回答が集まった。具体的には、▽地域の医療体制に関するもの▽物資関連▽医療者の労働環境などに関連するもの▽病院や個人への補償や診療報酬などに関するもの▽病院内での診療体制に関連するもの-など。
このうち、地域の医療体制に関する回答では、「脳卒中患者でも体温が37℃以上の場合は受入れ拒否している病院がある」「一時的に受け入れた患者が、入院が必要となった場合に転院先を探すのに3時間以上かかるようになり、救急受け入れをストップせざるを得ない状況となった」との声が上がった。
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