訪問介護の自立支援機能を高める観点から、2018年度の介護報酬改定で行われた「見守り的援助」の明確化。日本ホームヘルパー協会が1日に公表した調査結果によると、サービス提供責任者や介護支援専門員(ケアマネジャー)のおよそ2割が、見守り的援助のサービス提供や、サービス提供を行うケアプランの作成を「したことがない」と回答した。背景として、サービスそのものの認知が進まないことや、目的に関する利用者や家族の理解が得られにくい実情がうかがえる。サービスの浸透には、利用者の行動変容の見える化が必要などの意見も出た。【吉木ちひろ】
18年度改定では、訪問介護における身体介護と生活援助のサービスの内容を規定する通知(老計第10号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」)が見直され、「認知症等の高齢者に対して、本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、側で見守り、服薬を促す」「利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う掃除、整理整頓」などの行為が、身体介護として行われる「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」として明確化された。
見守り的援助が重度化防止や在宅生活の維持につながれば、長期的に見て、施設入所に必要な給付費の抑制や介護・看護人材のニーズを減らすことが期待できる。一方で、訪問介護の給付費は上がることになり、見守り的援助は利用者の身体に直接接触して行う介助サービスと比べてサービスの内容や目的について理解が得られにくい。
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