3月に入り、厚生労働省が、2020年度診療報酬改定説明会の資料や動画を公開しました。
調剤報酬についても解説していますが、詳細を見ていくと、薬局だけでなく、病院や診療所にも関連する内容は少なくありません。
厚労省は、患者に同一薬局の利用を促していますが、それはスムーズにかかりつけ薬剤師・薬局を持つようになることで、薬局と医療機関との連携を促進する狙いがあります。
今回の大まかな流れをつかんでおきましょう。【大戸豊】
今回改定も、多剤・重複投薬の解消は大きなテーマといえます。厚労省では、さまざまな方法で解消を図るようです。
重複投与の解消に向けて「服用薬剤調整支援料2」(100点)が新設されます。
前回18年度改定では、服用薬剤調整支援料ができました。6種類以上の内服薬が処方されている場合、薬局の薬剤師が文書で処方医に提案し、2種類以上減少した場合に算定できるものですが、ハードルは高いようです。
服用薬剤調整支援料2は、結果的に薬を2種類以上減らせない場合でも、算定が可能になります。薬局で服薬情報を一元的に把握し、重複投薬を確認し、処方医に解消に向けた提案をした場合に算定できます。
厚生労働省「2020年度診療報酬改定の概要」資料より(以下同様)
入院に伴うポリファーマシー解消でも、「薬剤総合評価調整加算」(現行250点)が18年度改定で設けられましたが、今回点数が2段階になります。
まず、慎重な投与を要する薬剤等を確認し、多職種によるカンファレンスを行い、総合的な評価をした上で、処方内容の変更・中止を行い、患者に説明した場合、薬剤総合評価調整加算(100点)が算定できます。さらに、退院時に内服薬が2種類以上減少した場合、追加的に「薬剤調整加算」(150点)が算定できるようになります。
また、入院前の処方薬の内容に変更、中止等の見直しがあった場合、病院が薬局に情報提供をすることで「退院時薬剤情報連携加算」(60点)が算定できます。
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