「快筆乱麻!masaが読み解く介護の今」を連載中の菊地雅洋さん(北海道介護福祉道場 あかい花代表)が、介護保険改正の動向について解説しました(第48回)。
今回の議論は、2021年度の介護報酬改定の議論に引き継がれます。介護事業者はもちろん、医療従事者も知っておいた方がよいでしょう。
今回、菊地さんの記事に続くで、介護保険制度の今後の行方についてまとめました。利用者の負担拡大の議論は今回の改正で終わらず、これからが本番かもしれません。【大戸豊】
今回の介護保険制度改正、決して「プチ」ではない―快筆乱麻!masaが読み解く介護の今(48)
19年12月16日の社会保障審議会介護保険部会では、「介護保険制度の見直しに関する意見」の素案が出されました。今後、諮問・答申が行われ、通常国会に法案が提出され、可決・成立する見通しです。
介護保険部会の議論では、厚生労働省から提案されたテーマの多くが見送られた形になりましたが、菊地さんは、19年10月に消費税を増税したこともあり、政府は国民にさらなる負担を求められず、今回は見送るものの、再び議論の俎上に載せるとみています。
今回、見送られた項目について主なところを挙げてみました。
(1)被保険者範囲・受給者範囲の拡大(2号被保険者の年齢引き下げ等)
(2)多床室の室料負担(室料の自己負担化がされていない老健等が対象)
(3)ケアプラン作成(居宅介護支援費)の自己負担導入
(4)軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行
(5)「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準(3割負担および2割負担の対象者の拡大)
(6)補足給付の資産要件について、「土地・家屋」も加えた評価
これらを見ていきましょう。
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