【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■増え続けてきた回リハ1は2020年度改定でどうなるのか
直近の地方厚生局データを確認すると、回復期リハビリテーション病棟入院料を届け出ている施設のうち、半数近くが入院料1(回リハ1)を届け出ている=グラフ1=。2018年度改定直後は3割程度だったことから、多くの回リハを持つ施設において、施設基準を満たす取り組みをこの間に行ったと思われる。
グラフ1 回復期リハビリテーション病棟入院料 届出施設割合(病床機能報告は18年度。ウェブサイトにデータが開示されている20府県の集計結果で、割合は病棟数割合)
各地方厚生局データ(年月はデータの調査時期)、病床機能報告データ(18年度)を基に作成
回リハ1を目指すことは、高い入院料が経営的にプラスになることはもちろん、より効率的な質の高いリハ提供を目指すことにつながり、リハビリセラピストや管理栄養士など医療従事者のモチベーション向上にもつながる。
20年度改定で、回リハ1は37から40に、回リハ3は30から35に、それぞれ実績指数のハードルが引き上げられる。これにより、どのような取り組みが必要になるのか、18年度の病床機能報告データを基に考えてみたい。なお、18年度の病床機能報告データは、病院別のデータが開示されている20府県分を集計している。
病床機能報告のデータは18年7月1日時点の入院料のため、直近と比較すると回リハ1の届出施設割合が4割程度と少ない。一方、入院料2や4の施設割合がやや高い。この傾向は、グラフ1の地方厚生局データを集計した18年4月や11月の割合に近い。20府県だけとはいえ、大きな傾向を把握する上で病床機能報告は十分なデータ量だろう。
■回リハ1はリハビリテーション提供単位数が多い
回リハ1の特徴として、まずリハビリテーション提供単位数が多い=グラフ2=。そして、入院料1と2、入院料3と4、入院料5と6の各組み合わせで比較すると、いずれも実績指数を問われる入院料1・3・5の単位数が多い。
グラフ2 患者1日当たり平均リハビリテーション単位数比較
病床機能報告データ(18年度)を基に作成
このグラフだけで、実績指数の向上には、「単位数を多くすることが必須」と言うことはできない。しかし、リハ提供体制が充実していることは、実績指数のハードルをクリアするために、プラスに働くと言えそうだ。
ただし、脳血管リハの対象患者か、運動器リハの対象患者かによって、提供単位数は異なる。そこで、脳血管リハ患者の割合に応じて5つにグルーピングし、それぞれの算定入院料の割合を見た=グラフ3=。
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次回配信は2月19日5:00を予定しています
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