9月に入り、中央社会保険医療協議会(中医協)の議論も第2ラウンドに突入した。
これから議論の密度は高まっていくが、医療機関では、2020年のゴールデンウイークまで、診療報酬改定への対応に追われる方もいるだろう。まずは、今後のスケジュールを確認してみたい。【大戸豊】
■消費税率引き上げで、改定率はどう動く?
19年3月の中医協総会では、20年度改定の大まかなスケジュール案=表1=が示されている。
入院料などを議論する「入院医療等の調査・評価分科会」は、病院関係者も最も動向が気になるが、9月末ごろまで議論し、10月中に取りまとめ、11月には総会に報告する流れになっている(ただし、総会では、翌年1月まで入院について議論するのが通例)。
保険医療材料と薬価の専門部会では、10月中まで業界の意見を聞き、11月に取りまとめ、12月に総会に報告する見込みだ。
表1 次期診療報酬改定に向けた主な検討スケジュール(案)
第410回中央社会保険医療協議会 総会(2019年3月6日)の資料を編集部が一部変更
12月に入ると、財務相と厚生労働相の折衝が行われるなど、診療報酬などの改定率をめぐる政治的な綱引きが本格化する。そして、通常なら12月20日前後には、改定率が示される。
2000年度からの改定率=表2=を眺めると、「薬価は下げて、診療報酬本体はプラスに」という傾向が明確だが、19年10月に消費税を8%から10%に引き上げた後、国はどのように改定率に反映させるのか、注目されるところだ。
表2 2000-18年度の診療報酬改定率
「文句の付けようがない」改定の巧妙なシナリオ
9月27日(金)には、酒井麻由美氏(株式会社リンクアップラボ代表取締役)が、「20年度報酬改定、急性期だけ見ていると読み誤る-入院が実は必要な人、見逃してませんか」と題して講演します。急性期の方向性だけでなく、「地域を含む患者の流れ」なども解説します。ぜひご参加ください。
■年明けからは一気呵成に進む
年が明け、20年に突入すると、4月の改定に向けて、いろいろなことが一気呵成に決まっていく。
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