病院の一般病床数は漸減傾向にあるが、平均在院日数の減少による入院患者数の減少がそれを上回って進んでいるため、病床利用率が低下して病院の収益性が悪化し、診療報酬引き上げ要請が高まり得る状況にあり、財政当局が病床削減の圧力をかけてくる―。日本医師会総合政策研究機構ワーキングペーパーが医療の需要と供給について、こう分析した。特に病床利用率の低い公立病院に対し、「需要の縮小を冷静に受け止めるべき」とし、地域での再編・統合への取り組みを促した。【ライター 設楽幸雄】
病院の一般病床についての入院医療の需要状況としては、厚生労働省の患者調査から入院患者数の推移を示した。
1999年の80.6万人(1日当たり)から減少を続け、2014年には69.9万人となったが、2017年は71.3万人とやや増加した。しかし、その中で、75歳以上の患者の割合が増加し、2017年には初めて全体の半数以上となった。
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