日本の社会保障給付費のうち、医療・介護の市場規模は2015年の50兆円から30年には80兆円へ拡大するとの推計から、投資ファンドの「ユニゾン・キャピタル」(本社・東京都千代田区)は、17年5月に「地域ヘルスケア連携基盤」(本社・東京都中央区、Community Healthcare Coordination Platform, Inc.:CHCP)を資本金3.7億円で設立した。分散する中小企業のヘルスケアサービスを集約してグループ化し、効率的な提供体制を構築することが狙いだという。CHCPの武藤真祐会長に、これまでの成果と今後の見通しについて話を聞いた。【齋藤栄子】
武藤会長は、東京大病院、三井記念病院で医師として従事し、宮内庁で侍医を務めた後、早稲田大大学院でMBAを取得してマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務した。その後、在宅医療を提供する医療法人社団鉄祐会「祐ホームクリニック」(東京都文京区ほか)、ITによる医師の診療支援ソリューションを提供する「インテグリティ・ヘルスケア」(本社・東京都中央区)などのTETSUYUグループを設立して、新しい医療システムの創造を目指している。16年末にユニゾン・キャピタルの国沢勉氏(現CHCP社長)から要請を受けて、CHCPの会長を引き受けた。
国が進めている地域包括ケアシステムは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる25年をめどに、中学校区単位で「医療・介護・予防・生活支援」の一体的な提供を目指すもの。高齢化の進展は大きな地域差があることから、保険者である市町村や都道府県が地域の特性に応じて仕組みを作ることが必要だとしている。これら医療・介護の社会保障費の市場規模は、15年の50兆円から30年に80兆円へ膨張することが見込まれている=図1=。
図1 「ヘルスケア市場概観」※CHCP作成
参考 「社会保障の給付と負担の現状(2018年度予算ベース)」内閣府
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次回配信は1月16日5:00の予定です
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