医療や介護に関する皆さんからの質問に対し、取材して回答する「読者のギモン」。第5回は、2020年度から始まる「新たな認定看護師制度」を取り上げます。現行制度からの見直しの内容や移行措置などを、改めて整理します。【松村秀士】
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Q.認定看護師制度はどのように変わるのですか? 今の認定看護師がどうなるのか気になります。(Kさん/20歳代/女性)
A.この制度は、特定の分野で高い技術と知識を使って高度な看護を実践できる認定看護師を養成し、看護ケアの質の向上につなげるため、1995年に発足しました。当初は、高度化によって医療が細分化される方向にあり、それに伴って看護も専門化が求められていました。また、認定看護師の教育は、医療施設での患者へのケアを想定した内容でした。
しかし、制度が始まってから20年余りが経ち、複数の疾患や複雑な病態を抱える高齢者が増えたり、医療の提供が在宅へ移行したりするなど、情勢が大きく変わりました。そのため、制度を運営する日本看護協会(日看協)は、認定看護師がこうした変化に対応してどこでも高い実践力を発揮できるよう、病院内での活動に軸足を置いた現行制度を見直す必要があると判断。「新たな認定看護師制度」での教育を2020年度から始め、21年度に認定審査、26年度に更新審査を開始します。
■教育に「特定行為研修」を追加
新たな制度では、何が変わるのでしょうか―。
現行制度からの主な見直しは、▽教育に「特定行為研修」を組み込む▽認定看護分野を再編する―の2つです。
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