日本製薬工業協会の中山譲治会長(第一三共会長)は21日の記者会見で、新薬のイノベーションにより疾病の治癒・健康寿命延伸をもたらし、社会保障費用の軽減、税収増から再び新薬のイノベーションにつなげる「エンジェルサイクル」を起こす必要があるとし、そのため、新薬の多面的価値が薬価に反映する制度設計を検討しており、新年早々に具体案を発表する考えを明らかにした。【ライター 設楽幸雄】
中山会長(写真)は、新薬の多面的価値については、▽医療的価値▽社会的価値▽保健基盤的価値―の3点を挙げた。
医療的価値は、臨床的有用性と利便性で、臨床的有用性については有効性・安全性、新規性、治療法の改善の観点から現行薬価制度でほぼ評価されているが、「患者が実感できる利便性」については現状では「とらまえられていない」と指摘。
その上で、この利便性は「重要な指標」であり、新たな評価軸として設定すべきだとした。
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