厚生労働省は10月31日の社会保障審議会介護給付費分科会で、これまで議論されてきた介護人材の「更なる処遇改善について」の対応案を示した。現行の処遇改善加算IからIIIに上乗せする新しい加算を設定する考えで、事業所内での配分については、勤続10年以上の介護福祉士の賃金改定に充てることを基本としつつも、形式的な資格だけではなく技能を幅広く評価できるように、一定程度は柔軟に運用できるような傾斜の設定を検討する案が示された。【齋藤栄子】

■勤続年数10年以上は同一法人ではなく業界単位との意見も

　介護人材の処遇改善はこれまでに、介護職員処遇改善加算などを設けて、合計で月額4万7000円の改善を進めてきた＝図1＝。さらに、介護人材の確保をより一層進めるため、公費1000億円程度を投じるプランを盛り込んだ「新しい経済政策パッケージ」が、2017年12⽉に閣議決定された。

図1　介護保険制度における現行の介護職員の処遇改善について（厚労省資料※以下同）

（残り1564字 / 全1990字）