【特定医療法人駿甲会 コミュニティーホスピタル甲賀病院 副院長 甲賀啓介】
■はじめに
前号では、患者さんのニーズに応じ、医師としての資質、そして意識を変革する必要性を実感した経験をお伝えしました。
今回は、その経験をいかに組織の戦略に反映させ、実行に移そうとしてきたかをご紹介します。
■2025年に向けて
団塊世代が後期高齢者になる2025年を一つのターゲットに、国はさまざまな施策を進めています。前回の16年度診療報酬改定では、7対1における「重症度、医療・介護必要度」(看護必要度)や在宅復帰率の厳格化が進みました。急性期病院を中心として、看護必要度の維持や入院単価の向上を目指して平均在院日数を短縮させた結果、病床稼働率が低下しました。急性期病院は重症患者を集めることに注力し、軽症患者を短期間で在宅に帰したことから、中小病院に患者が回って来なくなるという事態も起きました。さらに、介護施設での医療対応の強化や看取りが普及してきたことで、病院における入院患者の減少が顕在化しています。
今後も、医療機能の分化・連携、病棟構成の適正化、在宅医療の推進といった基本理念の下に、医療費の効率的配分の追求が進んでいくと考えられます。その結果として、病院は広域急性期病院と地域多機能病院の2つに大別されていくでしょう。
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