6年ごとの診療・介護報酬の同時改定が来年春に控える。これまで、2つの保険制度にまたがる訪問看護などの報酬算定ルールを整理する機会とされてきた同時改定だが、今回は2025年に向けて大きくかじを切ることができる最後のチャンスで、厚生労働省の担当者は、これまで以上に重要な「分水嶺」だと公言している。集中講座の第1回では、そんな改定を乗り切るために知っておきたいキーワードや、中央社会保険医療協議会(中医協)などでの検討の進め方を紹介する。【佐藤貴彦】
■入院医療の議論に時間割く中医協
診療報酬を担当する中医協では、今年1-8月に計17回総会を開いて改定に向けた話し合いを進めてきた。秋からは第2ラウンドに入り、入院医療や外来医療などでそれぞれ具体的な方向性を話し合う=図=。
1-8月の総会の開催回数は、16年度改定に向けて検討した15年(14回)の1.2倍に当たる。今回は特に、入院医療の議論に時間を多く割いている=表1=。
16年度改定に向けては、中医協総会の開催ペースが15年10月から急激に上がり、翌年1月まで月5、6回行われた。今回の第2ラウンド以降の話し合いも週1回を超えるハイペースで行われるかもしれない。
■給付費分科会は1.3倍近い検討ペース
介護報酬改定に向けた話し合いは、社会保障審議会の介護給付費分科会で行われている。分科会は今年4月、夏ごろまでおおむね月2回のペースで会合を開くと決めた。15年度改定に向けた検討スケジュール並みのペースで、実際には4-8月、14年度の1.3倍近い9回の会合が開催された=表2=。今後は、事業者団体のヒアリングを2回に分けて行ってから2巡目の議論に移る。
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