第3回地域包括ケア病棟研究大会(地域包括ケア病棟協会主催)が東京都内でこのほど開催され、シンポジウム「これからの地域包括ケア病棟の質を考える」が行われた。同協会の仲井培雄会長は、地域包括ケア病棟が「各地域で地域包括ケアを促進するさまざまな化学反応を起こしている」と述べた。仲井会長はその上で、在宅・生活復帰支援の質を保ったり、サブアキュートや他院からのポストアキュートの患者を受け入れたりするプロセスを、診療報酬で評価することを提案した。【大戸豊】
■ポストアキュート、院内からの転棟目立つ
同協会では2015年度と16年度の会員向けのアンケートに続き、今年6月時点で地域包括ケア病棟・病床を持つすべての病院(1894施設)を対象にアンケートを実施し、614病院から回答を得た。今回の調査結果は速報値として一部を公表した。
16年度に行った調査では、地域包括ケア病棟・病床の受け入れ機能について尋ねたところ、中核機能(ポストアキュート機能とサブアキュート機能)が75.8%(843症例)、それら以外の周辺機能※が24.2%(269症例)だった。中核機能の中でも、ポストアキュートの症例が63.5%(706例)を占め、このうち院内からの転棟患者が83%だった。
※中核機能であるポストアキュート、サブアキュート機能を補完し、一般病棟7対1から13対1までの役割の一部を代替する機能。発症前の生活支援が不要な患者の緊急時の受け入れや、予定入院ではがん化学療法や緩和ケア、手術・麻酔(短期滞在手術等基本料3や出来高の手術)、糖尿病の教育入院の受け入れなどを行っている。
地域包括ケア病棟における患者の受け入れ状況【2016年度調査】
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