2014年度診療報酬改定で創設された「地域包括ケア病棟入院料」は、16年度から手術・麻酔の報酬が出来高算定となり、受け入れられる患者像が大きく広がった。一方で、許可病床500床以上の大病院や特定集中治療室を持つ病院などは届け出できる地域包括ケア病棟の数が制限された。地域包括ケア病棟協会の仲井培雄会長は、診療報酬と地域医療構想とを連動させ、地域の総意に基づけば大病院でも複数の地域包括ケア病棟を確保できるようにする仕組みづくりが必要だと指摘する。【聞き手・構成=佐藤貴彦】
協会として、16年度改定で手術や麻酔など、点数が高い診療報酬項目を地域包括ケア病棟入院料の包括範囲から除外するよう求めてきました。
というのも、そうした報酬が入院料に包括されていたために、急性期の治療を終えた患者さんの転院を受け入れる病院に地域包括ケア病棟があるにもかかわらず、まず一般病棟で受け入れ、患者さんの状態が落ち着いてから地域包括ケア病棟に転棟させるといった運用が少なからず行われていました。
「一般病棟7対1入院基本料」(7対1)を算定している急性期の病棟からの転院を7対1の病棟で受け入れる「7対1・7対1連携」は、病院の機能分化が求められる中で不自然だと言わざるを得ません。今後、地域包括ケア病棟への直接入院が促進されると期待しています。
■整形外科病院がケア病棟のみに転換?
包括範囲の見直しには、そうした不自然な連携の解消に加え、緊急入院する軽度急性期の患者さんの受け入れを促す狙いがあると考えられます。ただ、その効果の表れ方は、病院が地域包括ケア病棟のほかに、看護配置10対1以上の一般病棟を持っているか否かで異なるでしょう。
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