経済産業省が3月24日に公表した「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会」の報告書では、介護ロボットやITの導入により、68万人の介護人材不足が解消できるとしている。これが実現できれば、それに越したことはないが、僕にはそれは絵に描いた餅にしか思えない。
■今の介護ロボットでは、劇的な省力化は図れない
介護ロボットへの過度な期待は禁物である。現在のテクノロジーは、介護サービスの現場で劇的な省力化が図れるほど高くはない。
例えば最近、注目を集めている機器に、介護者のパワーアシストを目的とした装着型介助ロボットがある。このロボットは、ある程度の力が必要な場面では高い効果が見込まれるが、だからといってすべての場面で有効ということはない。むしろ現場では、力よりも細かな配慮と巧緻な作業が求められる場面の方がはるかに多い。そんな時、ロボットを背負い込んでいたら、逆にデメリットが大きい。
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