「どこでも新人教育が受けられて、新卒時から訪問看護や介護施設での看護にも意欲的に挑戦できる。そんな考え方にパラダイムシフトしていかなければなりません」-。日本看護協会(日看協)の坂本すが会長は、日本が直面する少子超高齢社会に対応できる看護師を育成するためには、看護師基礎教育の抜本的な改革が必要と話す。任期終了まで、あと1年となった坂本会長に、意気込みや次世代に託す思いなどを聞いた。【聞き手・構成=坂本朝子】
そこで、固定観念を変える突破口になればと、「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」を開発しました。
クリニカルラダーは多くの病院でもつくられていますが、それは病院の中だけでの標準化です。この日看協版のクリニカルラダーは、全国の看護師の標準化を目指し、病院や在宅、介護施設など、あらゆる場所で働く看護師に活用できる共通の指標となるものです。将来的には、「全国的な標準ラダーによる看護実践能力の担保・保証」「あらゆる場で働く看護師の能力評価への活用」「ラダーに応じた役割や適切な処遇への活用」などに結び付くことを狙いとしています。
今後は、看護師のレベルアップや能力の保証も視野に入れ、できれば施設基準の評価や給与体系への反映にもつなげていきたいと考えています。長い取り組みになるとは思いますが、地道にやっていきたいと思います。
ほかにも、標準化や質保証の取り組みとして、すべての看護師に認知症のことを知ってもらうために「認知症ケアガイドブック」を作成したり、認定看護師が幅広く活躍できるように「特定行為研修」を集中的に実施したりするなど、さまざまな取り組みをしています。
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