押し入れで眠っていた開業の夢、この手に
薬剤師の働き方は一つじゃない
■夢と目標の間で
初めて開業を意識したのは15年ほど前。東京都心のチェーン薬局に勤務し、20代で管理薬剤師を任されていた。朝7時半には家を出て、日付が変わって帰宅する生活を送っていた。5人ほどの薬剤師で毎日200枚超の処方せんに対応しなければならず、患者への説明が長くなれば、「一人に時間をかけすぎる」「もっと早く!」という同僚のプレッシャーを感じる。「薬剤師として、これでいいのか」などと立ち止まる余裕もなかった。
そんなころ、当時は結婚前だった夫から「独立」の言葉が出た。「せっかく資格を持っているんだ。自分の考えるような薬局をつくってみたらいいじゃないか」。夫は医薬業界の人ではないものの、軽率な気持ちで言っているわけではないのが分かった。この言葉が、ぼんやり遠い世界の出来事だった開業を「目標」に変え、濵さんの心に刻まれた。
しかし、具体的に何をすればいいのか、資金や事業計画書はどう準備するのか、自分のキャリアで融資を受けられるのか-。身近に相談できる相手もなく手探りしているうちに、日々の業務に追われて気持ちは薄れ、目標は再び遠い夢に逆戻りしていった。
■「今がチャンスなのかもしれない」
そうして数年がたち、濵さんは長女を懐妊。喜びの半面、妊娠14週で緊急入院が必要となり、そのまま育児休業が明けるまでの約2年間、現場から離脱せざるを得なかった。医薬の進歩は速い。ハードスケジュールをこなし、基本診療科だけでなく、透析などの専門的な調剤も手掛けてきたことに自負もあった濵さんにとって、育休復帰後の「浦島太郎になった自分」は大きなショックであり、育児との両立を含めて働き方を考える転機ともなった。
3年前、16年勤めたチェーン薬局を退職。個人薬局でのパート勤務など、これまでとは違う環境を経験しながら新しい自分の働き方を探す中で、キャリアブレインの転職支援サービスを利用した。希望の勤務について担当者と話を深めていくうち、開業サポートのサービスもあることを知り、濵さんの心にあの時の夫の言葉が迫ってきた。
「もしかしたら今なのかも…」
キャリアブレインの開業アドバイザーに賭け、「自分の考える薬局」が実現した。
「物件の紹介から賃貸交渉、金融機関との融資の段取り、許認可手続き、事業計画や収支計画の作成まで、何をいつまでにどんな手順で進めていけばよいのか丁寧にサポートしてくれたので、迷うことなく開業にたどり着けました。『この人なら任せられる』という安心がうれしかったですね」と濵さん。
医療・介護業界を熟知したキャリアブレインが全力サポート
キャリアブレイン開業支援サービス
医療介護経営CBnewsマネジメント
【関連記事】
【関連キーワード】