押し入れで眠っていた開業の夢、この手に
薬剤師の働き方は一つじゃない
「自分の薬局を持つなんて、私には無理だと思っていたんです。夢を見てもつらいから、毛布でぐるぐる巻きにして押し入れの奥に隠しちゃった」-。昨年10月、さいたま市内に調剤薬局を新規開業した濵智子さん(48)。一度はあきらめた独立を果たし、目指す薬局づくりに試行錯誤しながらも充実した毎日を送る。心の隅でほこりをかぶっても、その夢はずっと出番を待っていた。
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「患者さんの一人ひとりがどんな疾患で、どんな薬を使って、何に悩んでいるか。『自分のことを分かってくれている』と安心して話してもらえる薬局にしたいですね」と、濵さんはほほ笑んだ。
濵さんが経営する「ひまわり薬局」は、典型的な門前薬局。業務の中心は、一般約240床、1日の外来患者約900人という急性期総合病院の処方せん応需だ。近隣には先行の薬局が2店舗あるが、待ち時間は患者にとって決して短くない。その負担がこたえる高齢者や待合室で感染症をもらいたくない妊婦など、ニーズの潜在する土地で開業できたことが幸運だったと濵さんは話す。
「以前に目指したときには資金も土地探しも、何もかもが高い壁だったのに、今回はとんとん拍子。開業は『チャンスと勢い、タイミングだな』と思いました」。そう笑うが、好機を逃さず飛び込めるだけの経験と自信を、薬剤師として地道に積んできたからこそだ。
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