ネット番組での静脈麻酔薬の不適切使用を強く非難
「生命に危険が及ぶ可能性」 麻酔科学会山蔭理事長
日本麻酔科学会の山蔭道明理事長は、一部のメディアで静脈麻酔薬のプロポフォールが娯楽やいたずらの目的で使用されたことに対し、「断じて容認できない」と強く非難する声明文を出した。【渕本稔】
【関連記事】
問題視されたのは、10月14日にアマゾンプライムビデオで配信されたバラエティー番組「KILLAH KUTS」。手術などの外科的処置が不要な人にプロポフォールを用いて、意図的に意識をもうろうとさせる内容が含まれていた。これに対し、山蔭理事長は深い憂慮を示した。
声明文の中で山蔭理事長は、プロポフォールは手術や検査時の鎮静を目的に医師の厳重な管理の下で使用される薬剤だとし、呼吸が抑制される危険があることから、「必ず人工呼吸管理が可能な環境で使用される必要がある」と指摘している。
さらに、プロポフォールを過剰に投与し、2009年6月に死亡したマイケル・ジャクソン氏を例に挙げ、不適切使用により「生命に危険が及ぶ可能性がある」ことを強調した。
山蔭理事長は、このようなプロポフォールの誤った使用を強く非難するとともに、麻酔科医や関連の医療従事者に対してはガイドラインに沿った適切な管理を求めており、いかなる場合にも不適切な使用を行わないよう強く要請している。
医療介護経営CBnewsマネジメント
【関連記事】