今回は、調剤料について考えます。
これまでの中央社会保険医療協議会(中医協)総会の議論では、調剤料について「日数に応じた点数は見直すべき」との意見が出ており、中でも投与日数14日分以下の調剤料の見直しが焦点となっています。
これは、薬局に対して国が求める「対物業務から対人業務への転換」の流れを受けたものであり、対物業務である調剤料は、引き下げられるとみられます。【大戸豊】
■「対物から対人へ」で調剤料は抑制
調剤料は、処方内容の確認、医師への問い合わせ、薬剤調製などを評価するものです。
中医協・総会資料より(以下同様)
調剤医療費は、2017年度は約7.7兆円でした。このうち薬剤費が約5.7兆円、技術料が約1.9兆円を占めます。
技術料の内訳は、調剤基本料が約5500億円(29%)、調剤料が約9900億円(52%)、薬学管理料が約3700億円(19%)です。
技術料に関しては、国は「対物業務から対人業務への転換を図る」としています。薬局の運営維持費を評価する調剤基本料と、“対物業務”の側面が強い調剤料については抑制に向かい、その一方で“対人業務”の評価を進めており、薬学管理料は増やす方向です。
18年度調剤医療費、技術料は1.0%増-厚労省、薬学管理料が大幅な伸び
■14日以内の調剤料がターゲットに
9月25日の中医協・総会では、調剤料がテーマになりました。日本薬剤師会常務理事の有澤賢二委員を含む、診療側、支払側からの意見の全てが「見直しが必要」で一致しました。
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