「健診結果をスマホで」見えてきた可能性
希望者は56% 健康管理を促し、院内の効率化も
健診結果は、受診者がスマートフォンやパソコンで閲覧できるようにする。院内作業を効率化し、「良質な健康サポート」につなげたい-。
東京・汐留地区の高層オフィス街にある「医療法人社団 六医会 汐留シティセンターセントラルクリニック」では、各種外来と併せ、健康診断や人間ドックに力を入れている。
最新鋭の検査機器を用い、一人ひとりに合わせた医療を提供してきた実績が評価され、同院の健診受診者数は年間2万人に上る。
同院ではこの春、リクルートライフスタイルが提供する「ここカラダ 健診結果Webサービス」を導入した。既存の健診システムからデータを連携することにより、受診者が健診結果をスマートフォンやパソコンから閲覧可能になる。利用は広がっており、既に受診者の56%がWebでの閲覧を希望する。紙の結果票に比べて、事務作業も大きく減っている。
放射線科技師長の畠山結児さんは、「Webで結果を見たい」という受診者のニーズがあること、院内の業務効率化やコストの課題を解決したいことの2点を、導入の大きな理由として挙げる。その根底には「受診者様に良質な健康サポートを提供したい」という考えがあるという。
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■年間2万件の印刷・郵送作業「大きく減少した」
畠山さんは、サービス導入によるメリットを感じている。
一つは、業務の効率化だ。
これまでなら、健診結果を受診者に伝えるには、結果票を印刷し、製本・封入・郵送のプロセスが欠かせなかった。しかし、「ここカラダ 健診結果Webサービス」の導入により、健診システムに表示される「連携ボタン」をクリックするだけで、希望した受診者のスマートフォンやパソコン上で健診結果を閲覧可能にすることができる。
畠山さんは「印刷から製本、郵送までの作業が年間2万件だと、全てに対応するのは本当に大変。これがワンクリックになり、負担が大きく軽減したという実感がある」と話す。
紙の結果票を郵送するまでの工程が不要になり、スタッフの作業時間も短くなった。作業に必要だった人件費が抑えられ、印刷費や郵送費も大きく減った。
再検査などもスマートフォンやパソコンに通知できる。適切なタイミングで知らせることで、健康管理を促す効果も生まれている。
畠山さんは、要治療の判定でもそのまま放置し、翌年の健診でさらに状態が悪化している人もいると指摘しつつ、「このような状況を少しでも改善するためにも、導入する意義は非常に大きい」という。
「ここカラダ 健診結果Webサービス」の導入後は、精密検査を受診する割合も以前より高まっており、毎年の健診時期のお知らせも簡単に行える。“リピート受診促進”の機能は、健診受診率のアップにも役立っている。
■「ここカラダ 健診結果Webサービス」を活用し、良質な健康サポート提供したい
「ここカラダ 健診結果Webサービス」では、過去の健診結果も簡単に見られる。
畠山さんは、「忙しいビジネスパーソンにとって、スマートフォンやパソコンでいつでもどこでも健診結果を見られることは、魅力の一つ」という。
例えば、過去の検査値などと今回の結果を比べようと思っても、紙の場合、探すのに苦労するかもしれない。「ここカラダ 健診結果Webサービス」なら、過去の結果も保存され、経年的に検査値などを確認できることから、「健康管理をしっかりやろう」という意識を高めていける可能性がある。
蓄積されたデータを活かせる場面として、他の医療機関の受診が挙げられる。
病院の医師との問診で、「前回の健診結果はどうでしたか」などと尋ねられた場合、スマートフォンで確認して健診結果を伝えれば、次の医療のステップに進むことも、よりスムーズになると畠山さんは考えている。
海外に出張するビジネスパーソンも多いが、もし出張先で病気になったとしても、現地の医師に、具体的な数値と共に、自分の状態を伝えられれば、病気を悪化させるリスクを大きく減らせるかもしれない。
医療法人社団 六医会 汐留シティセンターセントラルクリニックでは、「予防医学と最先端医療を追求し、一人ひとりに合わせた医療サービスの提供」を掲げている。
畠山さんは、予防医学の重要性が叫ばれる昨今、クリニックが果たす役割もますます大きくなると考えており、今後の展望についても、「『ここカラダ 健診結果Webサービス』をさらに活用し、受診者様に良質な健康サポートを提供していきたい」と語ってくれた。
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「ここカラダ 健診結果Webサービス」の導入メリット
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