国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」や、超高速インターネット衛星「きずな」を使った医療分野の実験が注目を集めている。日本医師会（日医）とJAXA（宇宙航空研究開発機構）が共同実験協定を結ぶなど、宇宙空間を利用して遠隔医療や創薬に結び付けようとする動きが加速。医師や研究者、技術者の「医工連携」を象徴するかのように、「きぼう」と「きずな」を活用した研究が進んでいる。最先端技術を生かした「宇宙医療」の現状を探った。【新井哉】


■災害時の医療支援や遠隔医療に活用 　「東日本大震災で大きな課題として挙げられたのが、インターネットによる情報共有だった。医療チーム同士や、被災地の関係者の間で、被災患者の病態や避難所の衛生環境の情報が共有されなけ...