vol.4 「居心地のいい小児科クリニック」木のぬくもりで安心感
理事長・院長の想いをスウェーデンハウスがサポート
小児科は親子で訪れる場所だ。お子さんも保護者の方も居心地がいいと感じることができることは大切だ。その思いは待合室に置くおもちゃや絵本、またスタッフ一人ひとりの対応にもあらわれる。もちろん建物にも当てはまることだ。スウェーデンハウスの魅力に迫る企画「理事長・院長の想いをスウェーデンハウスがサポート」。vol.4は、小児科を標榜する茨城県那珂市の「那珂キッズクリニック小児科」を訪ねた。
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「私は普段から、このスタイルです」。那珂キッズクリニック小児科の柏木玲一院長は動物柄のネクタイを締め、ワイシャツ姿で子どもの診察に当たる。
小児感染症と救急を専門としてきた柏木院長は、開業前、茨城県立こども病院小児科総合診療グループなどで勤務した際、救急搬送され、不安そうな子どもたちやご両親の顔をたくさん見てきた。「私は開業した時から白衣を着ないスタイルで子どもたちを診ています」と優しい表情を見せる。
柏木院長の子どもたちへの優しい思いは、建物にもあふれている。
一見すると住宅のような、医療機関らしくない外観。院内に入ると、医療機関の待合室とは思えないほどの大空間が広がる。勾配天井が開放感をより高め、天窓から降り注ぐ暖かな日差しが、子どもたちに安心感を与える。待合室の大きな窓から見えるウッドデッキや、庭に敷き詰められた芝生なども一体となり、温かな雰囲気にあふれている。
そんな大空間の待合室で興味を引くのが、梁から下げられた縄ばしごのブランコだ。予防接種や診察を待つ間に、子どもたちは縄ばしごのブランコに乗って遊んでいる。現在、「危険」や「安全確保」というキーワードのもと、公園に設置される子どもの遊具が減少傾向にある。そんな中、しかも医療機関の待合室に、縄ばしごのブランコとは?
これについて柏木院長に尋ねると、こんな答えが返ってきた。「子どもの動作や仕草を見ながら、その子にあった診察をするためです」。実は、診察室にもブランコがある。「開放的で自由に動ける空間があると、子どもたちの警戒感が緩み、お母さんが心配に思っている点とは違った要素が見えることもあります。もちろん、何かあっても私たちがリカバリーできることを大前提に、こうした遊具を設置しています」と柏木院長は話す。
茨城県は、主な診療科を「小児科」としている医師数が全国で最も少ない自治体だ。そんな茨城県の中でも、那珂キッズクリニック小児科のある那珂市は、小児科のほぼ空白地帯だったという。「地域にしっかりした小児科の開業医がいると、小児保健水準が上がります。例えば東日本大震災で、しばらくお風呂に入れず、オムツかぶれでお尻が痛いと泣く子がいました。お母さんは、その子をあやすために十分な睡眠がとれず、困り果てて救急外来にやって来ます。小児保健水準の高い地域ならば、"オムツかぶれ″の対処方法や医療機関の適切な受診の仕方などについての知識を親御さんが持つため落ち着いた対応ができます。小児保健水準を上げることは、子どもと親御さん、そして医療提供体制を守るという意味で、とても大切です。那珂市は縁もゆかりもない所でしたが、この地域での小児保健水準の引き上げに貢献したいとの思いから、2008年に開業しました」(柏木院長)。
柏木院長には、保育園の理事長というもうひとつの顔がある。那珂キッズクリニック小児科を運営する「医療法人社団どんぐり会」で、認可保育園「ARINKOMURA」を手掛ける。柏木院長は「これまで小児科専門医を続けてきて、子どもたちの涙を社会に還元したいとずっと考えていました。子どもたちは未来そのものです。お母さん、お父さん、地域のみなさんと一緒に子どもたちを見守り、共に育ち、育むことができればと、この認可保育園を開園しました」と話す。
ARINKOMURAは那珂キッズクリニック小児科の隣にある。0-1歳児と2-5歳児を対象にしており、それぞれ独立した2つの施設を持つ。このうち、0-1歳児の施設をスウェーデンハウスが建築した。園児や地域の子どもが病気になった場合には、那珂キッズクリニック小児科の2階などにある病児保育施設「しろやぎさんのポシェット」がサポート。小児科の医療機関を中心に、地域の子どもたちを見守る体制を整えた柏木院長は「多角的に取り組むことで医療の経営も安定する」と自信を見せる。
病児保育施設には、医療の知見が生かされている。院内感染制御のエキスパートであり、インフェクションコントロールドクター(ICD)でもある柏木院長。「病児保育は疾患ごとにお部屋を分けて運用しています。こうした対応ができるのは、気密性が高く、標準仕様で設置される換気システムで院内が陰圧にでき、気流がしっかりコントロールできるスウェーデンハウスの建物だから。院内の感染リスクを大きく減らすためにも、建物のスペックの高さはより大切になってきます」と評価する。
今年度は、茨城県福祉部子ども政策局子ども未来課主催の「第2回いばらき保育の魅力コンテスト」でARINKOMURA が入選。柏木院長は「小児医療と保育事業を融合し、さまざまな形で地域の子どもたちの笑顔を守るお手伝いをしていきたいと思っています」と次の目標を見据える。
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■スウェーデンハウスHP
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