薬局・ドラッグストアM&Aは2件、1-3月
過去10年同期で3番目の低水準
2021年1-3月の調剤薬局・ドラッグストアに関するM&A発表が2件だったことが、M&A仲介業のストライク(東京都千代田区)の集計結果で分かった。過去10年の同じ期間で3番目に少ない件数で、同社は新型コロナウイルスの感染拡大や、政府による緊急事態宣言が影響したとみている。
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コロナ禍でドラッグストア業界ではマスクなどの衛生用品が飛ぶように売れたが、訪日外国人客(インバウンド)の需要は消失した。調剤薬局業界も新型コロナの影響を受けたが、特に大きな動きはなかった。
同社は、両業界について、「経営の効率化や収益力の強化が求められており、中長期的にM&A市場は活性化する可能性がある」と指摘している。
■クオール、買収で在宅医療など充実へ
21年第1四半期のM&Aを見ると、調剤薬局大手のクオールホールディングス(東京都港区)が1月5日付で兵庫県姫路市にある勝原薬局の全株式を取得し、子会社化した。地域や在宅の医療を充実させるのが狙い。1915年に創業したこの薬局は、同市を中心に調剤薬局11店舗を展開している。
もう1つは、ドラッグストアなどを運営するココカラファイン(横浜市)が2月22日付で雅ファーマシー(東京都千代田区)の全株式を取得し、子会社化した案件。ココカラファインは、東京都で調剤薬局2店舗を展開する雅ファーマシーを傘下に入れたことで、都内での市場占有率を高め、地域でのヘルスケアネットワークの構築を進める方針。買収額は、いずれも公表していない。
集計は、ストライクが株式上場企業の適時開示情報を基に実施。経営権が移転するM&Aを対象とし、グループ内の再編は除外した。
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