麻疹（はしか）の患者報告が相次ぐ事態を受け、厚生労働省が対応に追われている。都道府県に対し、定期接種（1期・2期）を受けた人の割合が95％以上となるよう市町村に働き掛けるよう求めているが、接種率が90％以下の市町村が少なくないといった課題がある。市町村によっては過半数が予防接種を受けていなかったり、医療行為に否定的な宗教団体があったりして、前途は多難だ。麻疹対策に熱心でない自治体などを動かし、感染拡大を止められるのか。【新井哉】


　麻疹ワクチンの定期接種を巡っては、接種率（2017年度）が25―100％（2期）と市町村間で格差がある。厚労省や都道府県がいくら働き掛けても、接種率の向上に無関心だったり、力を注がなかったりする自治体があるのが実情だ。 　都...