SAMさんが挑むシニアダンス
「医療・介護」とダンスの接点
Q、アクティブシニア層向け「ダレデモダンス」をつくったきっかけを教えてください。 今から4年前、TRFの20周年の時に、ファンの皆さんにダンスで還元できないかと考えて、「TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ」というDVDを出しました。このダンササイズは、ダンスの経験がない人向けに、シェイプアップや健康増進のためにつくりました。対象年齢は30-40歳代にしていて、プログラムには少し激しい動きも盛り込んでいます。 そのダンササイズの評判がよかったので、もっとダンスの可能性を広げようと、「ダレデモダンス」という一般社団法人を立ち上げました。タイミングとしても、2020年に東京オリンピック・パラリンピックがあるので、それに向けて僕たちの大先輩である高齢の方々に元気になってもらおうと思い、「ダレデモダンス」をつくりました。 自分の母も高齢になっていますし、私の実家は病院なので、高齢者の健康維持には、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)やメタボリックシンドロームなどへの対応が重要との話はよく聞いており、ダンスが有効ではないかと以前から考えていました。いとこに心臓リハビリテーションを専門とする医師がいて、心臓リハビリにはダンスがすごくいいというアドバイスもくれました。 Q、シニア向けダンスということで、プログラムをつくる上で注意した点はありますか。 これについては、だいぶ勉強しました。ダンスプログラムは、医師のほかに、理学療法士と協力して考えました。高齢の方もいろいろで、基本的には“元気”な高齢者を対象にしています。健康寿命を延ばすというのが趣旨ですので、何歳になっても自分の足でしっかり歩けることを目標にしています。 大事なのは足腰です。腿上げやキックをすることによって、筋肉が付きます。それにジャンプをすることによって、ふくらはぎを鍛えることができます。プログラムでは、どちらかというと上半身より、下半身に重点を置いています。 また、プログラムの中にはバウンドする動きがあるのですが、理学療法士のアドバイスを参考にして、ひざの悪い人には、ジャンプをする動きに代えてできる別の動きをお勧めしたりしています。そのような注意点も盛り込んでいます。 Q、今後、どのような展開にしたいと思っていますか。 僕は、ストリートダンス出身で、それにこだわってストリートダンスをベースに、「ダレデモダンス」のプログラムをつくりました。日本には、ラジオ体操があります。この体操は、全身運動が盛り込まれていて、素晴らしいプログラムです。「ダレデモダンス」が今後、発展していって、“ラジオダンス”のようなものになって、全国に普及すればうれしいですね。
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