国の医療費抑制策、現場にどう影響?
医師・キャリア考(5)
医療費の伸びを抑えるための国の施策について、医師の約7割が自身の働く医療現場に影響を及ぼしていると感じていることが、CBnewsのアンケート調査で分かった。その一方で、約6割の医師が国の医療費抑制策に対して賛成の意思を示しており、国の厳しい“懐事情”をおもんばかり、収入減などにつながる抑制策もあえて受け入れるという、現場の医師の意識が垣間見える結果となった。
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■医師の7割、「抑制策が現場に影響」
国の医療費抑制策による自身の 働く医療現場への影響を聞いたところ、「及ぼしていると思う」が68人(70.8%)で、「及ぼしていないと思う」が28人(29.2%)だった=グラフ1=。
■独自で必要最小限の投薬などに取り組む人も
現場への影響を感じている人に理由を尋ねたところ、「給与の削減」(30歳代男性)、「病院収支に影響が出ている」(40歳代男性)、「病院経営を直撃している」(50歳代女性)など、自身の収入や病院経営に影響しているとの回答が見られた。
一方、影響を感じていない人からは、「小児科領域では少子化、予防の向上で高額な医療が必要になることがほとんどなくなっているから」(30歳代男性)、「できる範囲で診療を行っている」(50歳代男性)、「必要最小限の検査・投薬・処置に努めている」(70歳以上の男性)といった声があった。
■6割が医療費抑制策に賛意
国の医療費抑制策に対する考えも聞いたところ、「賛成」が 23人(24.0%)で、「どちらかというと賛成」は35人(36.5%)。一方、「どちらかというと反対」は24人(25.0%)、「反対」は14人(14.6%)だった=グラフ2=。
■「萎縮した医療になる」などと懸念する声も
国の医療費抑制策に賛同している人に理由を尋ねたところ、「際限なく増大する医療費の伸びを抑制することは必要不可欠であるから」(30歳代男性)、「お金に限りがあるから」(40歳代男性)、「皆保険を守るため」(60歳代男性)など、今後も国民皆保険制度を維持するために医療費の伸びを抑制せざるを得ないとする回答が見られた。
一方、反対の意向を示している人の理由では、「本来行うべき医療行為や管理ができないから」(40歳代男性)、「萎縮した医療になる」(50歳代男性)、「必要な医療が提供できなくなる可能性があるから」(60歳代女性)など、医療費が抑制されることによって適切な医療が提供できなくなることを懸念する声が寄せられた。
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