増える「売りに出る薬局」、その特徴
薬剤師・キャリア考(3)
キャリアブレイン社とのタイアップ企画、「薬剤師・キャリア考」。第3回は、売られる薬局の特徴についてお届けします。
最近、薬局のM&Aに関する話題を耳にしたり、目にしたりする機会が増えた人も少なくないのではないでしょうか。実際、キャリアブレインでは、M&Aや個人薬剤師への薬局の譲渡の仲介に関するサービスでも、非常に多くの事例を扱っています。
こうした事例の増加は、「売りに出る薬局」が増えていることを意味します。今回は、売りに出る薬局には、どのような特徴があるのかを考えてみたいと思います。
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■「売りに出る薬局は、業績が悪い」は間違い! まず、はっきりしていることがあります。「売りに出る薬局=業績が悪い薬局」ではない、ということです。業績が悪い薬局の場合、そもそも売ることができません。理由は簡単。買い手が付かないからです。ですので、業績が悪い物件の場合、売るのではなく閉局するのが普通です。 「薬局を売る」という選択は、むしろ、健全経営を実現している薬局の経営者にとっての選択肢と言えます。 そして「売りに出る薬局」は多くの場合、以下の4つの理由により、売却を検討し始めるようです。
・薬剤師が採用できない
・集中出店地域から離れた店舗を切り離して合理化したい
・業績は悪くないが管理費を考えると割に合わない
・後継者がいない 順に解説します。 ■多店舗展開で特に深刻「薬剤師が採用できない」
薬剤師の採用は非常に難しく、薬局の経営課題の大部分を占めます。多店舗展開している薬局の場合は、さらにこの問題は深刻です。薬剤師がいないと薬局は経営ができないですから、採用できなかった場合、その店舗は閉めざるを得なくなります。
その結果、「閉めることになりそうだが、そうなるくらいなら誰かに譲りたい」というご希望から、その店舗が売りに出ることがあります。 ■集中出店地域から離れた店舗を切り離して合理化したい 複数の店舗展開を行っている薬局のほとんどは、同一地域に集中して店舗を展開しています。それは、同一地域内で集中出店した方が、ヘルプの薬剤師を出しやすかったり、地域内での店舗のブランドが確立されたりと、さまざまなメリットがあるためです。 そのため、店舗が集中している地域以外に少数の店舗がある場合、より効率的な運営を実現するための売却という選択肢があり得るのです。 ■業績は悪くないが管理費を考えると割に合わない 複数店舗を展開している薬局では、本社に管理機能を持っています。そういった企業では、店舗の売り上げの一部を割いて本社の経費を賄っています。そのため、店舗の売り上げがある程度出ていても、本社経費を差し引いた場合にほとんど利益が残らない、というケースがしばしば出てきます。 この場合、店舗維持の労力を払うばかりで利益が出ないため、本社としては手放したくなる物件とみなされます。つまり、「黒字だけど、うまみがあまりない」と判断されるわけです。 しかし、店舗の利益は出ているため、他の事業所からは十分に、うまみのある店舗と言えます。例えば、本社を持たない個人経営者の場合は、その利益が丸々、自分のものになるため、「おいしい」事例と言えるでしょう。 ■2025年に向け深刻化「後継者がいない」 経営者の方が管理薬剤師をされていたが、高齢になってきたために店舗を誰かに譲りたい、というケースです。特に個人経営の薬局に多く見られます。団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け、このケースもどんどん増えています。 ■売るなら今! 開業希望なら、大手と競合しない店舗が狙い目 今後も診療報酬の改定に合わせて、薬局の経営環境が厳しくなってくることが予想されます。そして経営環境が悪化するほど、その薬局の持つ価値は減っていくことが予想されます。そういった点から、経営者にとっては調剤薬局のM&Aや事業承継が活発な今が、薬局を売却するチャンスと言えます。 一方、開業をお考えの薬剤師の方にとっては、大手企業がM&Aを考える物件としては魅力を感じない規模の売り上げの店舗が狙い目だと言えます。 薬局の売却に関して検討をされている経営者の方、開業をお考えの薬剤師の方、まずは悩みをお聞かせ願えませんか? お気軽にお問い合わせください。
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