愛知県いつき会、財務体質強化し事業拡大へ
エーエヌディーSmile20で実現
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いつき会は、佐藤理事長が1995年に同市に9床の「樹クリニック」を立ち上げて以来、名古屋医療圏の北東部を中心に、医療・介護サービスを提供してきた。2012年12月、名古屋市に医療・介護・運動・高齢者住宅の複合施設「メディカルいつき」(昭和区)をオープン。その後、病院運営も開始し、名古屋市から譲り受けた守山市民病院を15年4月に守山いつき病院(守山区、101床)として開院させている。
いつき会では、佐藤理事長の理念を着実に具現化している。佐藤理事長には、「医療は、病気の患者という“マイナス”を治療で“ゼロ”にするものだが、いつき会は、ゼロの患者をプラスに引き上げ、健康な人を、さらに健康にする」という考えがある。その理念を端的に示しているのが、「メディカルいつき」だ。
佐藤理事長が出身の名古屋市立大病院(瑞穂区)から、東に約1キロ離れた石川橋の前にある。その建物には、大きく「メディカルいつき」と書かれている。街道沿いの建物入り口は、左右に2つの自動扉がある。
左側の扉はクリニックに通じており、右側の扉からは健診センターとフィットネスクラブに入ることができる。建物の左側で患者を受け入れ、対する右側では、予防医療を提供している。併設されているカフェとレストランは、街のそれと見紛う雰囲気を醸し出し、健康志向のレシピに基づいたメニューが並んでいる。さらに、メディカルいつきの敷地内には、高齢者住宅もある。
■「エーエヌディーは医療機関と同じ目線で価格交渉」
いつき会にはこのほか、愛知県一宮市に「いつきクリニック一宮」、介護老人保健施設「いつきの里」、住宅型有料老人ホーム「シニアステージいつきの夢」、デイサービス「アクティブいつき里小牧」、扶桑町にデイサービス「アクティブいつき」がある。近く、働く世代の利便性が高くなるように、名古屋駅前ビルに健診センターを設立する予定だ。
従来の医療・介護サービスの枠を超えて拡大を続ける、いつき会の扱う医療資材の点数は膨大で、在庫管理や発注業務の一元的システムの早期導入が求められていた。そこで目を付けたのが、SPDシステムだ。SPDとは、(Supply供給、Processing加工、Distribution分配)の略で、このシステムにより、医療機関は在庫管理や発注業務の人的コストを大幅に削減し、トレーサビリティーによって安全品質を担保した医療資材の受発注・在庫管理が可能になる。
いつき会が、数あるSPDシステムのサービスプロバイダーの中から、エーエヌディーを選択したのは、エーエヌディーのクラウド型医療材料SPDシステムが、電子受発注機能も兼ね備えていて、医薬品や医療機器のほか、医療材料メーカーなどとの価格交渉までをも請け負ってくれて、コスト削減につながると考えたからだ。
通常、医療機関と医薬品メーカーなどとの間には卸業者が入って、価格交渉をしているが、いつき会は、この間の取引慣行に不透明さを感じていた。そこで、いつき会は、「エーエヌディーのSPDは医療法人である顧客の視点で価格交渉をする」(原克行・経理財務部長)と判断し、エーエヌディーのSPDシステムの導入を決めた。
「Smile20」では、▽ベンチマークシステム▽同種同効品検索―なども同時に利用することができる。ベンチマークシステムにより、医療材料の適正価格を調査することができるため、取引先との交渉を有利に進めることができ、購入価格の削減が期待できる。また、「同種同効品検索」により、コストパフォーマンスのいい「同種同効品」、すなわち同じ種類の同じ効果の医療材料の提案を受けることができる。
■いつき会「財務改善で、月間収入と同じレベルの余裕資金を」
いつき会が、エーエヌディーのSPDシステムを選んだもう一つの理由は、買掛で購入している医療資材の支払い期限を延伸できる仕組みがあるからだ。これは、エーエヌディーが今年1月から開始している購買代行サービス「Smile20」が可能にした。
他社のSPDシステムは、医療機関の在庫管理に力点を置いているが、エーエヌディーは、医療機関がSPDシステムに求めるニーズは、在庫管理よりも資金管理にあると考えた。医療機関は、エーエヌディーのSPDシステムを導入することで、在庫管理はもちろん、資金運用面での自由度が増す。
支払いサイトの延伸は、地域の金融機関(レンダー)と連携したストラクチャードファイナンス資金を利用することで可能になった。エーエヌディーは、医療機関の買掛債務を、「売掛債権」として引き受ける。この売掛債権を、SPC(特定目的会社)に譲渡。SPCがその売掛債権を証券化するという流れだ。
「Smile20」を活用することで医療機関は、結果的に支払いサイトに縛られることなく、その分で生じた余裕資金で、計画的な設備投資をしたり、医師や看護師などの増員をしたりすることができる。いつき会は、「Smile20」を通じて、グループの財務改善も図りたい考えで、グループの月間収入と同じ額の余裕資金を確保するのが目標だ。
いつき会では、団塊世代がすべて後期高齢者になる2025年の先の人口減社会も見据えた戦略を立てている。医療機関の収益構造は、保険診療に依存しているため、2年ごとの診療報酬改定などの政策誘導に一喜一憂を繰り返さざるを得ない。
そこで、いつき会は、医療・介護といった保険制度に依存する「守り」の経営から、保険診療だけでなく、自由診療である予防医療や、フィットネスクラブなどの健康サービスを組み合わせた「攻め」の経営にかじを切っている。この攻めの経営ツールの一つに、「Smile20」を活用しようとしている。
■「Smile20」契約で、SPDシステム費用が無料に
エーエヌディーの「Smile20」は、いつき会のような攻めの経営をサポートする。今、「Smile20」を契約すると、同社のSPDシステムの月額費用を無料にするキャンペーンを実施している。
エーエヌディーの「Smile20」に関心がある方は、
同社ウェブサイトwww.andinfo.co.jp でお問い合わせください。
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