かかりつけ薬剤師に心強いアプリ登場
「Kusudama(薬玉)」、来月発売
2016年度診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師の評価が新設される。かかりつけ薬剤師を確保できない薬局にとっては痛みを伴う改定だ。こうした中で、医療システムなどを開発する株式会社ズー(長野県上田市)は、かかりつけ薬局・薬剤師を支援するタブレット端末向けアプリ「Kusudama(薬玉)」を開発、4月1日に発売する。
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■タブレット端末、1人1台で薬剤師業務を完全サポート
ズーが開発、発売する「Kusudama(薬玉)」は、薬局店舗内の薬剤師が1人1台のタブレット端末を保有することで、薬剤師業務のすべてをサポートするシステムだ。
ズーは設立から30年間、調剤薬局向けにレセプトコンピューター(レセコン)、調剤POSなどを開発してきた。ここにきて調剤薬局を取り巻く環境が急速に変化し、調剤薬局が単に薬を扱うだけではなく、患者と向き合い、よりコミュニケーションを深める、かかりつけ薬局になることが求められている。
この時代の要請に応えるために、ズーは携帯性に優れるタブレット端末向けにアプリを開発、薬剤師がタブレット端末を持ち歩くことで24時間、薬局内はもちろんのこと、在宅での業務をサポートする。
調剤薬局向けのシステムは、他社も扱っているが、ズーの「kusudama(薬玉)」は、▽処方せん入力▽前指導▽処方確定▽ピッキング▽調剤監査▽服薬指導▽薬歴記載▽会計(POS)―などの一連の業務、さらに在宅支援、薬局外での24時間対応、在庫管理までカバーしているのが特長だ。
薬局に勤務する薬剤師各自が、自分の調剤状況を確認できるだけでなく、ほかの薬剤師の動きも分かる。薬局の経営者が、店舗内の薬剤師それぞれの業務の進行状況を一目で把握できる。
■「Kusudama(薬玉)」導入による患者メリットに着目
かかりつけ薬剤師になるには、患者から選ばれなければならない。16年度改定で新設される「かかりつけ薬剤師指導料」(1回70点)は、処方医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で、患者に対して服薬指導などを行う業務を薬学管理料として評価するものだ。
同指導料を算定するには、患者が受診しているすべての保険医療機関や服用歴などの情報を把握する必要がある。また、患者の相談に24時間応じる体制を整え、開局時間外の連絡先を伝えたりしなければならない。調剤後も患者の服薬状況などの内容を処方医に情報提供し、必要に応じて処方提案しなくてはいけないなど、要件を満たすためのハードルは決して低くない。
「Kusudama(薬玉)」は、かかりつけ薬剤師を確保する薬局が、算定要件をクリアするよう支援したり、タブレット端末を持つ薬剤師が、どこにいても患者情報を手に入れて服薬指導などをしたりすることができる。このほか、薬剤師が薬局内で「お大事に」と患者を送り出した時点で、薬歴記載が終わっているなど、業務の効率化が期待できる。
これらの薬局や薬剤師のメリット以上に、患者視点を大事にしている。「Kusudama(薬玉)」により、患者は24時間薬剤師に健康相談に乗ってもらうことができるようになる。薬剤師が業務を効率化することで、患者は薬局で長い時間待たなくてよくなり、その分、患者は薬剤師と話をする機会が増えることになる。
ズーの藤井修亮取締役副社長は、「『Kusudama(薬玉)』で、薬剤師自らが、薬局・薬剤師の未来を切り開いていただきたい。これを使ってぜひ、薬局内のカウンターを飛び出してほしい」と話す。 基本価格は130万円(税別)から
「Kusudama(薬玉)」のお問い合わせは、
ズーサポートセンター 0120-39-0271
ウェブサイト www.emedical.ne.jp
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