薬局・DSのM&A、キリン堂のMBOが金額けん引
ストライク調べ、7-9月発表分
M&A仲介のストライク(東京都中央区)の集計によると、調剤薬局・ドラッグストア業界の2020年7-9月のM&A発表件数は5件だった。キリン堂ホールディングス(大阪市)が約338億円を投じるMBO(マネジメント・バイアウト、経営陣が参加する買収)を発表したため、7-9月の発表分としては過去10年間で最高金額となった。
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キリン堂HDは9月、MBOによって株式を非公開化することを発表していた。米投資ファンドのベインキャピタルが、寺西忠幸会長ら現経営陣と協力してキリン堂HDにTOB(株式公開買い付け)を行う。キリン堂HDの発表によると、ドラッグストア業界の成長が鈍化する中で、短期的な業績変動にとらわれず、事業構造改革に向けて機動的で柔軟な意思決定を実現するのが狙いという。
残りの4件はいずれも金額非公表。3件がココカラファイン(横浜市)によるもので、大阪府内で調剤薬局1店舗を経営する寿(大阪市)を子会社化したほか、ファーマテック(東京都新宿区)から愛知県内にある調剤薬局1店舗を、クレストファーマシー(同練馬区)から東京都内にある調剤薬局1店舗をそれぞれ取得した。
このほか、クオールホールディングス(同港区)が茨城県内の調剤薬局6店舗と、大阪府内の調剤薬局1店舗の合計7店舗を取得した。
ストライクは、「新型コロナウイルス感染拡大を受けて景気が後退する中、企業の規模拡大や事業承継などに向けたM&Aの需要がなお大きいことが浮き彫りになった」としている。
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